このページでは、2018年から完全導入されたオンライン版STEP BULATS試験の概要や対策などについてご紹介しています。
STEP BULATS試験が2018年からオンライン版に統一された!
STEP BULATS試験には、2017年までは、ペーパー版とオンライン版の2種類の試験が準備されていました。それぞれの概要は以下の通りです(ここでは、Writing試験とSpeaking試験についてのみご紹介しています)。
ペーパー版の試験:
・Writing試験は回答用紙に手書き
・Speaking試験は面接官と直接会話
オンライン版:
・Writing試験はタブレットにキーボード入力
・Speaking試験はタブレットにマイクで録音
これらの2種類の試験形態のうち、どちらを受験するかは受験者側が自分で選択することができました。
管理人の場合には、所属する団体の方針で毎回ペーパー版のSTEP BULATS試験を受けていたのでした。
しかし、2018年に大きな変化が訪れます。
元々自由に選べていた2種類の試験のうち、ペーパー版が廃止され、強制的にオンライン試験のみとなったのです。
ペーパー版からオンライン版に変わることで、まず、回答用紙の代わりにタブレットを使うようになりました。
これ以外にも、特にSpeaking試験形式に大きな変更がありました。具体体的な変更点については下の方でご紹介しています。
ちなみに、管理人はSTEP BULATSのペーパー版試験に慣れ親しんでいたので、オンライン版試験には最初抵抗がありました。
しかしながら、オンライン版の試験を受けてみると、意外とペーパー版より快適に?受験できましたので、このときの経験についてもご紹介しています。
ペーパー版試験とオンライン版試験の違い
ペーパー版とオンライン版のWriting試験の比較
オンライン化でWriting試験がどう変わったのかを理解するために、ペーパー版のWriting試験とオンライン版試験のWriting試験を比較してみましょう。
ペーパー版 | オンライン版 | |
形式 | 回答用紙への記述式 | タブレットへのタイピング入力 |
試験時間 | 45分 | 同左 |
試験問題 | Part1:Eメール、手紙、メッセージの作成(50~60words)
Part2:報告書、企画書の作成(180~200words) |
同左 |
この比較表の通り、Writing試験については、オンライン化で変更されたのは、回答の作成方式が紙への記述方式から、キーボードを使ったタブレットへのタイピング入力方式に変わった、という点のみです。
その他の試験内容や試験時間、word数制限もオンライン化による変更はありません。
ペーパー版とオンライン版のSpeaking試験の比較
ペーパー版とオンライン版の比較表
次に、ペーパー版のSpeaking試験とオンライン版のSpeaking試験を比較してみましょう。
ペーパー版 | オンライン版 | |
試験形式 | 面接官との対面形式 | タブレット付属のマイク付きヘッドホンで回答を録音 |
試験時間 | 15分 | 同左 |
試験問題 | Part1︰インタビュー
Part2︰プレゼン Part3︰ロールプレイ |
Part 1:インタビュー
Part2:音読 Part3︰プレゼン Part4︰グラフの説明 Part5︰ロールプレイ |
試験方法の違い
Speaking試験は、ペーパー版からオンライン版になって、試験方法がガラリと変わりました。
ペーパー版では、試験は面接官とのFace to faceの面談形式で、設問は紙で配られる問題用紙に書かれていました。回答はデジタルレコーダーで録音され、録音データを聞いた2人の採点者と、面談を実際に行った面接官の1人の合計3人で採点が行われていました。
一方、オンライン版では、試験はタブレットを前にしたネット試験となりました。タブレットに問題文が表示されるとともに、装着したヘッドホンから音声指示が流れ、マイクに回答を吹きこみます。この結果がオンラインで即座に採点センターに送られ、採点される仕組みです。
ペーパー版は、面談形式なので、こちらの回答に対して面接官がそれに応じた質問を返してきます。オンライン版は機械が相手ですから、当然こちらからの回答に応じた質問というのはありません。
オンライン版の方が無機質な印象がありますが、ペーパー版では面接官の態度や質問内容によって、こちらの喋りやすさも変わってきます。面接官の技量や態度によって結果がばらついてしまう従来のペーパー版試験より、オンライン版の方が受験者ごとの外部的なばらつき要因を排除できる、というのがオンライン版メリットの一つです。
試験問題の違い
次に、Speaking試験問題もガラリと変わりました。
ペーパー版では、インタビュー、プレゼン、ロールプレイの3部構成でした。そして、プレゼンでは、受験者がスピーチした後にスピーチの内容に関する質疑応答がありました。また、ロールプレイでは与えられた課題に対して面接官と交互にやりとりする形式でした。
これに対し、オンライン版では、ペーパー版の3つの試験に、音読とグラフを用いたプレゼンの2つを加えた合計5部構成となりました。ペーパー版であった面接官との質疑応答の時間などがなくなったため、設問を2題増やしたものと思われます。
オンライン化による改善点
管理人は、オンライン版試験の導入前にはペーパー版の試験を受けていました。このため、オンライン化が導入されたと聞いたときにはとまどいもありましたが、実際にオンライン版の試験を受けてみると意外とやりやすい♪という印象でした。
Writing試験でword数が自動でカウントされる!
Writing試験には、Part1で50~60words、Part2で180~200wordsのword数制限があります。ペーパー版では、この語数制限を満たしているかを自分で数えて確認するしかありませんでした。1行あたりのword数×行数で数えればよいのですが、受験者側にも、採点者側にも負担でした。
オンライン版ではタブレット入力という特徴を活かして解答欄の脇に現在のword数をリアルタイムで表示してくれます。word数を自分でカウントする手間が省け、回答作成により集中できるようになりました。
残り時間が表示される!
Writing試験では、Part1、Part2合わせて45分という時間制限があります。Speaking試験ではオンライン化によって各設問の回答時間が細かく指定されています。例えばPart1のインタビューでは、各問10秒以内、Part3のプレゼンでは、問題を読む時間が40秒、スピーチの時間が60秒などです。
ペーパー版では自分の腕時計で時間を計るしかありませんでしたが、オンライン版では、タブレット画面に残り時間が表示されるようになりました。
一目で残り時間が分かるので、タイムマネジメントがしやすくなりました。特にSpeaking試験では、しゃべりながら自分の腕時計を見て残り時間を確認するということがなかなか難しいですが、画面でカウントダウンされるので、喋り終わるタイミングが見計らいやすくなりました。
面接官の当たり外れの心配がなくなった♪
ペーパー版のSpeaking試験は、面接官との面談形式でした。管理人は何度かペーパー版のSTEP BULATSのSpeaking試験を受けましたが、面接官の質や印象にばらつきがあることは感じていました。
例えば、ある面接官は、Interviewのパートで時間を使いすぎて最後のロールプレイが途中で強制終了されてしまったこともありました(どうやって採点したのか今でも謎です・・・)。
また、プレゼンテーションの後の質問でスピーチの内容とずれた質問をしてくる面接官もいました(そこで適切に回答できるのが真のコミュニケーション能力だと思いますが・・・)。
他には、終始笑顔の話しやすそうな面接官や愛想のない面接官などさまざまです。面接室の外で待っていても中々中に呼ばれないと思っていたら、面接官が中でスマホをいじっていた、なんてこともありました。
一方で、オンライン形式では機械が相手なのでこうした当たり外れがなく、気をもむ必要ななくなったこともメリットだと思います。
オンライン版試験の機器セットアップ
Online版のSTEP BULATSテストではネットにつながれたタブレットを使って行います。
試験会場には受験者数分のブースが設置されており、各ブースにタブレットが設置されています。
タブレットには、操作用のキーボードとマウス、そしてスピーキング試験用のマイク付きヘッドホン(密閉型)が接続されています。
実際のタブレットのセットアップはこんな感じです。
写真から分かる通り、各ブースは白い板で囲われていて、受験者が周囲を気にせずに試験に集中できるように配慮されています。また、この板は、机の上に立て掛けられているタブレット画面が他の人から見えないように、カンニング防止の役割も持たせてあると思われます。周りが気にならず、意外と集中できますので、管理人はこの形式が結構気に入っています。
管理人は、初めてSpeaking試験を受ける前には、大きな試験室に複数の受験者がいると、スピーキングのときに他の人の声で気が散ったり、録音の時に他の人の声を拾ったりして試験が成り立たないんじゃないかと心配しましたが、それはマイク付き密閉型ヘッドホンを使うことで解決されていました。
ただし、タブレット画面が小さいので(iPadくらい)文字が小さく、特にライティング中は顔を近づけて前かがみで試験することになりました。これは運営側の英検協会に改善をお願いしたいところです。
オンライン版試験の対策
オンライン版のSTEP BULATS試験対策は、こちらのページでご紹介しているので、ご参照ください。
オンライン版STEP BULATSまとめ
このページでは、2018年から完全導入されたSTEP BULATS試験の概要についてご紹介しました。要点をまとめると以下の通りです。
- Writing、Speaking試験ともタブレットに解答を入力する形式に変更
- Writing試験は設問や解答制限(word数、試験時間)に大きな変更なし
- Speaking試験は設問が3問から5問に増え、発音とグラフを用いたプレゼンの設問が追加
- オンライン化により、word数や残り時間が画面に表示されるようになったのがメリット。